納骨と四次元パーラーあんでるせん
私は納骨すると決断するまでに約一年かかりました。
翼くんが一歳のお誕生日を迎える丁度1ヶ月前に納骨しました。
家族は私がタイミングを決めていいと言ってくれました。
お世話になっている和尚さんも、
「人間は自然界の中で生まれてきたのだから、元来たところへ戻してあげるのが望ましいけれど、翼くんはお母さんの気持ちが落ち着くまで一緒にいていいですよ」と
言ってくださいました。
いつ納骨するかどうかは本当に悩みました。
私は納骨するまで毎日枕元にご遺骨の入った骨壺を置き一緒に寝ました。
家を1日以上開けるときはいつも一緒に行動しました。
徒歩も自転車も車も電車も新幹線も飛行機も。
周りからは骨壺とわからないように、
すっぽりと入る可愛いカバンに入れて共に行動しました。
翼くんの魂はご遺骨にとどまっているわけではないと頭では理解していながらも、
それでもやっぱり行動を共にして一緒に居たかったのです。
翼くんがお空に還って半年たったとき、
長崎のあんでるせん
と言う4次元パーラーに旅行に行きました。
そこは目を疑うようなマジックショーを
マスターが目の前でなされる
凄く不思議で面白い喫茶店なのです。
とても人気なので3ヶ月前に予約をし、
その甲斐あって最前列で見ることができました。
もちろんその時も翼くんは一緒で
私の膝の上にカバンを置いていました。
きっとマスターは私が抱えているかばんに何が入っているか中身は見えなくてもお見通しで、私が遺骨の入った骨壺を抱えていると言うことに気づかれたのでしょうか。
突然、
私のお墓の前で泣かないでください。
そこに私はいません。
死んでなんかいません。
の歌の話を話されました。
ん?ん?ん?
これはもしや翼くんからのメッセージかな?
マスターの口を通して伝えたいことを私に伝えてくれているのかな?
そんな風に感じました。
ご遺骨と一緒じゃなくても、いつも一緒にいるし、自由自在いろんなところにいるんだよ。
そして体はなくなってしまったけれど
魂は死んでなんかいなくて今も生き続けているんだよと。
教えてくれているかのように感じました。
その時のその言葉や話を聞いたことで、
私ははっとして、
翼くんは心の中で生き続けてくれているんだし、
いつも一緒にいてくれるのなら、
翼くんのご遺骨に依存するのはやめようと思えるようになりました。
納骨は四十九日やその他の法要に合わせてされるケースが多いそうです。
でも納骨はいつしなければいけないという決まりは特にないそうです。
いつまでにしなければと期限を決めて、
無理やり心の整理もできていないまま納骨するよりも、しっかりと自分の心が決まった時にしたらいのだと思います。
そうと分かった時、
私は気持ちが楽になりました。
ご遺骨にすがらなくても一緒にいてくれることが分かった時、心があたたかくなり心強く思えました。
翼くんと心をあわせれば 、
いつでもどこでも会いたい時に会えるんだと思えた時、凄く嬉しい気持ちになりました。
納骨がいつのタイミングが良いとか悪いとかそう言うのではなく、
焦らずゆっくり、自分の気持ちと向き合って、自分のペースで自分の気持ちに正直に行動していくことが、
そして思いを残したり悔いを残さないことが、
立ち直るためには大切なのだと私はそう感じています。