夏の空を見ると
翼くんの体もお空に還った日のことを思い出す。
雨だったあの日、一瞬
急に晴れてきて光が差し込み夏空になった。
お空いっぱいキャンパスになって、
雲のアートが360度広がっていた。
翼くんがお腹に宿ってくれてからの十月十日。
検診の時エコーで見ていた翼くんが、
大きくなっていく経過をたどっているかのような順番で、
空には赤ちゃんの形をした雲がたくさん浮かんでいた。
翼くんがお空いっぱいにいるかのように感じた時間だった。
それと同時に、
忘れないでね。って伝えてくれているような気がした。