思い出の詰まったバスタオル
翼くんと入院していた時、
お空に還った翼くんが寝かせてもらっていたベットの下に敷いてあったバスタオルに翼くんの香りが残っていました。
赤ちゃんのいい匂いがしていました。
翼くんを近くに感じていたくて、
退院する時に助産師さんにお願いして、
バスタオルを持って帰りたいとお願いしました。
事情も事情なので、お許しを頂き家に持って帰れることになりました。
とにかく翼くんの生きていた証を残したくて、体はお空に還ってしまったけれどとにかく存在を身近に感じていたくて、いろんなものを翼くんと絡めて形に残そうとしてしがみつきました。
家に帰ってからもそのバスタオルは私のベットの枕元に置き、いつも一緒に寝てくれているかのような気持ちにさせてもらいながら、翼くんを感じていました。
当然のことながら月日が経ち、香りもなくなってしまいました。
翼くんグッズの中に大切に収めて保管しておりましたが、バスタオルにいつまでも執着しなくてもいい自分になって来れました。
翼くんはいつでもどこでも自由自在に私と一緒にいてくれるんだと思え、感じられるようになりました。
だからこの度の出産で、病院が同じだったのでバスタオルは元の場所にお返しさせてもらうことにしました。
しかし、そう決断したにもかかわらず、やっぱりなかなか手放せず今回の入院いっぱいは手元に置いておりました。
最後は翼くんをぎゅっと抱きしめるようにバスタオルをぎゅっと抱きしめて、そしてたくさんの感謝を伝えてなんとかお返しすることができました。
もしあの時バスタオルを持って帰っちゃダメと言われていたら、私の心の整理がつかぬままお返しすることになりきっといつまでも何かが心に引っかかっていたと思います。
でも私の気がすむように助産師さんが配慮してくださったことで、私は自分で自分の心の整理ができたのではないかと感じています。
なのでとても有り難かったと心から思います。
無理矢理心の整理をするのではなく、気持ちが治るまで時間がかかっても、その卒業の時期を自分で決められるまでじっくりゆっくり心と向き合って整理していくのがいいのかなとそんな風に感じました。